「喘息」でトランペットと出会う

高見 信行(たかみ のぶゆき)さん

横須賀学院高校・東京芸術大学音楽学部器楽科卒
現在ベルリンハンスアイスラー音楽大学留学

高見信行さん
50メートルも走ると、すぐに倒れこんでしまう。もう息が苦しくて。幼い時からひどい小児ぜんそくのため、ずっと病院通い。その通院先の先生から「深く息を吸うのがいい」とすすめられたのが、吹奏楽器を吹くこと。公立小学校でしたが、幸い吹奏楽部があり、すぐに楽器を手にできました。小四の時。トランペットとの出会いでした。その後もぜんそくとは高校時代まで付き合いましたが、トランペットとは生涯の付き合いとなりそうです。

音楽の道へ進もう、芸大に進学しようと思ったのは中学時代。まだまだぜんそくに苦しみ、身体も弱く勉強にだって腰が引けてしまう、そんな少年だったのが、勉強に初めて手ごたえを感じ、自信が芽生え、大きな目標を持つことになったのだと思います。KGCに通うようになってからです。M先生の国語の授業がきっかけでした。それまでは、文章を読むのがめんどう、つまらないと、ご多聞にもれずの本アレルギー。それがすっかり変わり、活字に対する抵抗感が消え、本を読みあさるようになりました。本には、自分が知らない世界がたくさんつまっていることがわかり、それを探り・知るのがとにかく楽しくなりましたね。おかげで成績も上昇。高校に進学後も国語は大の得意教科となり、KGC大学受験科T先生の古文・漢文の授業を受けるのが楽しみでした。T先生の古文講義は、文章の解釈・文法解説だけじゃないんです。古人の感性や生きた世界が、現代や自分にも通じるという切り口で話が進み、親近感と臨場感があり惹きつけられるんです。クラシック音楽も、古文とよく似ています。作品は古いかもしれませんが、描かれている人間やその世界は、現代の私たちに脈々と通じるものが多い。志望大学への進学を支援してもらえただけでなく、そうした意味でも高校時代の勉強は貴重だったと思います。

今、ドイツの音楽大学に留学中。演奏だって、勉強と同じで壁にぶつかるのは、しょっちゅうです。しかし、「好きこそ、ものの上手なれ」好きになってしまうと簡単にはへこたれない。私の場合、トランペットと国語がそうでした。