二つの「ライフワーク」

柴田 真希(しばた まき)さん

県立横須賀高・東京芸術大音楽学部卒
現在同大学院音楽研究科在学、23歳

柴田真希さん
モーツァルト生誕250年の今年、音楽界はコンサートもCDもモーツァルトで沸騰。まさにアマデウスブーム。でも、私が夢中になっているのは、モーツァルトでもバッハでもありません。それは「黒川能」。500年もの間、守り伝えられてきた山形県の民族芸能の一つ。私が知ったのは大学三年になってから。しかし、その出会いは私にとって衝撃的。打楽器・謡・舞で構成される、シンプルの極みとも言える表現方法と伝承してきた人々の熱気。芸能の根源的ともいうべき世界が展開され、見る者の胸に強烈に迫ってくる。虜になりました。以来、フィールドワークとして山形県には日参状態。もちろん卒論も「黒川能」。ライフワークにできたら、と思っています。

中学時代にも自分の世界を広げてくれる出会いがありました。それは、KGCのSクラス(現在のD65クラス)での学習。難関クラスでしたから、カリキュラムはハイレベル。中学学習内容をはるかに超えていました。でも、クラスのメンバーはとにかく良くできるし、難問挑戦を楽しんでいました。ただ解くだけではく、問題そのものの理論を休憩時間中にも議論。私はと言えば、数学の授業についていくのはやっとの低空飛行。しかし、一番自分らしくいられる場所という雰囲気。なぜなら、どのメンバーも決してガリ勉タイプなんかではなく、いわゆる個性派ぞろい。興味の的も、趣味も実に多種多様。一つの枠に自分をおしこめなくてもいいし、自分らしさをそのまま出せたからだと思います。

あれからもう八年がたちました。実は今もあのSクラスの中間達が年三回ほど集まるんです。話題も、あの頃以上に広がり、それはそれは賑やかな会。私にとっての、もう一つの「ライフワーク」となりそうです。