メダカに聞いてみよう

小此木 宏明(おこのぎ ひろあき)さん

浅野中学高校・青山学院大学卒
現在東京大学大学院自然環境学専攻、24歳

小此木宏明さん
レイチェル・カーソンをご存知でしょうか?アメリカの生物学者で、今年が生誕百年。1962年の著書「沈黙の春」で、当時の深刻な環境汚染に警鐘を鳴らし、環境問題の重要性を初めて全世界に知らしめた科学者の一人です。自然環境学を専攻する私にとっては大先輩であり、目標でもあります。専門分野は少し異なるのですが、自然と人とがいかに共生していくのかや、文明の進歩と自然保護とのバランスをどのように保っていくのかという視点は共通するテーマです。環境問題は今や人類が直面する難題の一つ。カーソンとまではいかなくても、研究者として何かしらの役割が果たせたらと思っています。

自然がいっぱいの中、好奇心いっぱいで飛びまわっていた小学生時代。そんな私がKGCに入学したのは小四になる頃。知識を広げてくれる理科や社会が実に楽しかった。例えば理科の授業。先生がメダカの特徴を一通り説明。すると生徒から「なぜ、メダカのメスとオスはヒレの形が違うんですか?」と質問が飛ぶ。先生は、「うん、いいところに気がついたね。今度はメダカに聞いてみるね。」もう、みんな爆笑。「なぜ?どうして?」と生徒が突っ込んだり、先生が突っ込んだり、そんなやり取りの中から疑問の解答を探りつつ、知識が深まっていきましたね。

実は、メダカ・ドジョウなどの生息する里山やその背後にある豊かな森をいかにして保全していくのか、どうしたら後世に引き継いでいけるのかが、現在の私の主要な研究テーマ。しかし、現代にあっては、その実現のための課題があまりにも多い。あの受験勉強の時もそうでしたが、プロセスには充実感があるものの、結果を出すとなると、これがまた厳しい世界。研究に行き詰った時には「メダカやドジョウに聞いてみよう」という心境で、里山や森に足を運んでいます。