【中学入試】 2010年私立中学入試概況
根強い中学受験志向!
今春中学入試の実受験者数は,首都圏全体で約54,000名(公立中高一貫校を除く)とほぼ昨年同数。神奈川県に限って言えば,若干ながらも前年比増となり,依然として中学受験志向は衰えていません。しかしながら,①1人当たり出願校数が減少したこと,②2月1日でのチャレンジ校受験を控え,早い段階での合格校確保を目指す受験生が多かったこと等,深刻な経済情勢の影響も窺われました。さらに,③その少ない出願校を将来の大学進学を見据えながら選択するという慎重な姿勢が目立ったのも今春入試の特徴です。
東京では新設校ラッシュ
2010年に東京では,公立中高一貫校4校(大泉高校附属中学校・富士高校附属中学校・三鷹中等教育学校・南多摩中等教育学校)と私立中学2校(早稲田大学高等学院中学部・中央大学附属中学)が開校しました。特に私立校の2校では応募者数をそれぞれ442名・969名(2回受験合計)と集め,注目されました。駒場東邦・海城・桐朋・慶應普通部等の応募者減は,全てではないものの,一部はこの影響を受けたものと考えられます。女子校は,今春がサンデーショック後の入試のため,その影響をはかることは難しいものの,少なくとも男子校・共学校ではこれらの学校と偏差値が近い学校は,今後も影響を受けるものと考えられます。
大学合格実績が応募者数に影響?
山手学院は2月2日午後入試を実施し,2日だけで前年比456名の応募者増。4回の入試全体では合計1109名もの増加となりました。山手学院の大学現役合格者数は,国公立46名,早慶上智153名,マーチ402名とそれぞれ一昨年の約2倍増。これも応募者増の要因一つと推測されます。女子校では,サンデーショック回帰の影響で,通常ならば,応募者数がほぼ一昨年の状況に戻るはずの今春,横浜共立では応募者数減,横浜雙葉は応募者数増となりました。横浜雙葉が昨年,東大11名,慶應52名と,フェリスの大学合格実績とほとんど変わらなかったのに対し,横浜共立は,東大1名,慶應28名に留まったことも,応募者数の増減に影響を与えたものと考えられます。
大学の付属校・提携校として人気上昇
4月1日より中央大学横浜山手中・高となった横浜山手女子。応募者数が,昨年は前年比323名増,今春も219名増と人気上昇が止まりません。将来的には校舎移転と男女共学の実施も予定され,人気と難度がますます上昇すると考えられています。また,首都圏模試合格率80%偏差値で2008年版では偏差値38,2010年度版では43と5ポイントアップしており,全く違う学校に変わっている事が分かります。また青山学院大学との提携をした横須賀学院も,4回の入試合計で294名の増加と,こちらも人気・難度の上昇が確実となっています。
来春以降の入試動向
来春の小6児童数は一都三県で約2,400名の増(文部科学省学校基本調査)。埼玉だけが微減で,他はすべて増えます。特に神奈川では今年よりさらに約1,000名が増えます。また,東京西部や埼玉県・千葉県から大船・鎌倉・逗子・日吉方面への通学時間を大きく短縮した今年3月のJR横須賀線「武蔵小杉駅」開業,2011年開校予定を延期する発表があった慶応義塾大学横浜市青葉区の中高一貫校の動向,2012年以降開校予定の横浜市立南高・市立川崎高の中高一貫校開設等々は,いずれも今後の各中学応募状況を大きく変える要因となり得ます。今後も神奈川県内の中学入試はさまざまな動きをすることが予想されます。
[ 2010-05-06 ]


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